先週末は福岡で熱帯病ケースカンファレンスに参加してきました。熱帯感染症はなじみが無いため少し予習をしてからの参加でした。

まずはロンドン大学のRobin先生からケースを提示しながらのレクチャーをしていただきました。急性肺ヒストプラスマ症 acute pulmonary histoplasmosis、トリパノソーマ症、gnathostomiasis(顎口虫症)、cutaneous anthrax(皮膚炭疽)、swine flu等を取り上げていました。トリパノソーマは眠り病というイメージが強かったのですが、そこまで行くと(stage2)かなり進行しているわけで当初は不明熱という形で発症するとのことでした。

続いては3つの施設からのケースプレゼンテーション。1例目は西アフリカからの帰国後約10日後に発熱・黄疸・倦怠感を呈した症例、2例目は渡航歴のない70歳代女性の発熱、筋肉痛、食思不振+結膜充血の症例、3例目はシンガポールとインドネシアから帰国後に発熱とリンパ節腫脹を呈した30歳代男性の症例でした。その中でのコメントで参考になった事を記しておきます。

  • マラリアでは白血球は増加しないとされるが重症例では増加する事もある
  • 網膜出血を起こす事があるため眼底をチェック!
  • マラリアの迅速診断キットでは現地滞在が長い場合には過去の感染の結果を見ている可能性もあり、血液塗抹標本での確認が最も重要
  • しかし血液塗抹標本での診断(Plasmodium falciparum かどうか?)などを判断するには難しいため専門家に頼むのが確実だが、周囲にいない場合は・・・
  • 海外から帰ってきた人の発熱では常にマラリアを考える。その際には流行地、潜伏期(流行地域に入国から出国までの期間から発熱までの期間が7日以上とされる)を参考に。
  • マラリアの3つのnegative徴候:リンパ節腫脹、Skin rush、Focal signのどれかがあればマラリアの可能性はかなり低くなる(マラリアの生活環ではリンパ節に入らないため)

 

以前大学にいたときにマラリアの患者を見た事がありますが、その際も塗抹標本は寄生虫教室の先生に直接見ていただき診断してもらいました。周りに専門家がいなかったら・・・また治療薬を手に入れるまでかなりの時間がかかる場合はどうしたらいいのか?等いろいろ考えさせられました。

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